妄々録拾穂抄

MowMowしている

新しい指導部で中国はどうなるのだろうか

やる気のない週末だったのでちらちらニュースを見て。あ、時評とかはできないので感想みたいな。

少なくとも向こう5年の習近平体制の継続が決定して、2018年の憲法改正時の主席の任期撤廃から言われてたことだけどやっぱ3期目やるのかーというのと、こんなにあからさまに自派閥で固めてくるのかーというのと。

ずっとやってきた共青団上海閥との権力闘争も、もうだいたいアンダーコントロールできる状態にまで権力集中が完了したのかなと思った。まあ今回の人事で李克強首相や常務委員だった汪洋氏が政界引退したり、次世代ホープと目されてきた胡春華副首相が降格になったりと、露骨な団派おろしが見られたのもそういうことだし、党の長老たちも掣肘できないとこまで弱らされたのかなと思うところもある*1

ただ、政権の手足を子飼いや自派で固めたことでこれからの国家運営にどういう影響が出てくるか不明なところもある。共青団系の政治家たちはそれこそ叩き上げのエリートで専門家として政権運営に能力を発揮してきたわけで、江沢民時代から継続してきた改革開放路線の経済運営も、市場経済に明るい専門家が首脳にいないっぽいと言われているなかでどう舵取りをしていくのだろうか*2。現在の路線を継続するにしても事情は少し変わってきそうである。まさか計画経済体制に戻るなんてことは無理でしょ。

子飼いのメンツを手元に集めて政権を固めても結局能力の担保はされていないわけで、経済一つとっても変なふうにならないでほしいというのが素人としても思うところ。もし政策の変化でハードランディングなんてことになると世界まるごと足を引っ張られることになるし。おとなりなだけにショックウェーブも小さい方がいい。

とりあえず来年3月以降が新体制の本格化する時期ということでいろいろ報道も出てくるだろうし注目はしていきたいなと思う。

*1:股肱の盟友みたいな王岐山副主席も身内が摘発されたり本人も引退するらしいし容赦がない。

*2:ゼロコロナ政策に伴う足下の経済の不振や不動産バブルの問題とかいろいろ。もちろん下の官僚から専門的な情報は上がってくるだろうしそれを取りまとめる首相や副首相の手腕によるのだが。ただ李克強首相に加えてマクロ経済や金融に明るかった劉鶴副首相も(年齢的なものだが)今回は去ってしまった。