邦題丸かぶりの2019年の映画と混同しないように。あっちも飛行機映画だけど。
ロサンゼルスから東京へ向かう7500便。乗り合わせた乗客はいろいろな事情を抱えている。不倫するパイロットとアテンダント、破局した夫婦、ハネムーンへ向かう夫婦、アジア旅行を計画する男にパンキッシュガール、そしてなにやら怪しい雰囲気のスーツの男。
離陸して早々に謎のスーツ男が喀血して息絶えてしまう。微妙な雰囲気になる機内。これから死体と何時間もフライトだなんて。そして乱気流に突入しパニックに陥る機内、死体と一人の乗客が消える……。
と、夜間のフライトの暗い機内という閉鎖空間で怪奇現象がどんどん起きるのか、と思わせてちょっとしか起きないがネチネチした怪しい雰囲気が徐々に居心地の悪さを与えてくる。監督が呪怨の清水崇なのでジャパニーズホラー的ねっとりじめじめな空気感は感じる。
中盤から事態を解明しようとした有志の乗客が最初に死んだ男の荷物を漁って怪しいアイテムを発見したりするがそこからネタバラシまではだいぶ急だ。尺を稼いで間延びさせずラストまではすっぱりしている。はっきり言うと最後のどんでん返しにびっくりを楽しむ映画ではない。客同士の衝突や無駄な絶叫もない。登場人物たちの背景の不必要な掘り下げもない。薄暗い閉鎖空間という舞台装置と出来事の薄気味悪さ、息苦しさを雰囲気として楽しむかんじだ。
もう少しあの客の持ってたアイテムをストーリーに反映させればよかったのかな?それだとメリケン映画っぽいびっくりホラーとの折衷映画っぽくなるか。それにしても示唆的すぎてどういうこと?ってなる部分がないわけでもないが。
繰り返しになるが雰囲気体感系映画として見ると楽しいかも。ぜひ部屋を薄暗くして少し蒸し暑い感じで見てほしい。