朝見かけたついったーの話題より。
ヨーロッパの王侯にも新型コロナウイルスの感染は広がり、イギリスのチャールズ皇太子殿下やモナコのアルベール2世大公(グレース・ケリーの息子さん)も軽症ながら感染が確認されてたが、この程亡くなった方が出たようでスペイン王家の親戚のブルボン=パルマ家のマリア・テレサ公女だったそうである。
御年86歳であるからしょうがないことではあるが、はじめに日本語で知らせた人が勘違いしたか機械翻訳そのままで"スペイン王女"としてしまったせいで、ついったーではスペイン王家から死者が出たと伝言ゲームで大騒ぎになっているようだった。いちおう自分はPrincessを王侯一般への尊称としてのそれとして、またパルマ公家の方であるから「公女」としておく。
ブルボン=パルマ家はイタリアのパルマ公国を統治した家柄であるが、本家はご存知フランスのブルボン家である。世界史をご存知の向きはスペインが継承戦争の結果ブルボン家の統治下になったのを了解しているだろうが、その初代王のフェリペ5世が娶った後妻が当時のパルマ公国を統治していたファルネーゼ家の娘であったので、その間に生まれた男児になんやかんやのあとパルマ公爵位がもたらされたのであった。
そこから分かれた家をブルボン=パルマ家と言う(別の兄弟でシチリア王位を得た分家はシチリア=ブルボン家)。この度亡くなられたマリア=テレサ殿下はその直系の子女である。
ところでなぜ"スペイン王女"と元の記事も誤解しそうな書き方をしてるのかわからないが、おおざっぱにスペイン王家の係累ということでそうしたのか(300年も前に分家してたらもう別の家だろ)、先ごろからのスペインの惨状に絡めたくて"スペイン系"としてわざとそうしたのか(300年経てきたらもうイタリア人では。ていうかそもそもフランス系)。記者がよほど知識に暗く雑な書き方になったわけではないと思いたいが。
まさか父君や兄がスペイン王家のお家騒動以後の現国王の血筋を認めていない派閥の推戴を受けてるからと言ってスペイン王女としたわけではないだろな(さてはおめーカルリスタだな)。だからスペイン国民はあまり王室のメンバーが亡くなったとは思ってないのでは?前国王の従姉妹らしい。
当たり前だが新型コロナウイルスは一般庶民だろうがエスタブリッシュメント方々だろうがお構いなしに感染して死をもたらしていく。あのスペイン風邪のときだってそうだったのだ。これに絡んでイタリアでもそんな話があったようなのを見かけたので最後に余談として。
古いイタリア貴族のオルシーニ家(教皇や枢機卿を多数排出した)の後裔であるグラヴィーナ公爵家一門のライモンド・オルシーニ・ダラゴーナ(Principe Raimondo Umberto Maria Orsini-d'Aragona)殿下も新型コロナウイルスで亡くなったということだった。こちらは御年88歳。下記サイトではそう記載されているがイタリア語のソースは上手に調べられないので真偽は不明(以下に追記)。
やっぱりライモンド殿下もCoVID-19で亡くなったそうだ。その他に先週金曜スペイン貴族グリニョン侯爵のカルロス・ファルコ殿下も亡くなっているとのこと。
東京の感染者も増えているので気を緩めないで気をつけたいし、みんな気をつけて感染予防してほしい。はやく旅行でかけられるようになりたいし。